New Order


Technique / New Order

オリジナル1989年作。
スペインのイビザ島にて録音。。当時吹き荒れていたアシッドハウスを大胆に取り入れて、彼らのキャリアの頂点に達した記念碑的ア ルバムであり、適度に踊れて、適度にメローで、クラブ帰りの何ともいえない疲労感を思い出させてくれる。アートワークは勿論Peter Saville。   

Marc Bolan


The Beginning of Doves /Marc Bolan

オリジナル1967年作。
ティラノサウルス・レックスのデビュー前に録音済みでありながら、1974年に発表されたマーク・ボラン流のいわく付きブルー ス。前編アコースティックながらもボラン以外何者でない彼の息吹に魂が吹き荒れ、ドキドキし、何回も聞きたくなる。大推薦盤。

Aztec Camera


HIGH LAND, HARD RAIN /Aztec Camera

オリジナル1983年作。
ロディー・フレイムが19歳の時に作ったネオアコースティックというジャンルの代名詞となったと言っても大袈裟ではない。彼はポ ストパンク的な価値観をアコースティックなサウンドに委ね、作詞、作曲、ギター、ヴォーカル、アレンジをすべて一人で行ったとのこと。新しい時代の1ペー ジを全身全霊で封じ込めたエバーグリーンな1枚。

David Sylvian


Brilliant Trees /David Sylvian

オリジナル1984年作。
JAPAN解散後にDavid SylvianがどっぷりはまったECM系の音楽の影響を存分に発揮したファーストソロ。ゲストには坂本龍一、ホルガー・シューカイ、ジョン・ハッセル等 を配し、A面はジャズ、B面は現代音楽系色が色濃く現われている。アンビエントなサウンドスケープの中にポップ色が滲みでていて、聞き終わった後も開放感 や爽快感を保持していられる佇まいは本当に素晴らしい。

Jon Gibson


Two Solo Pieces / Jon Gibson

オリジナル1977年作。
USミニマルミュージックの重鎮であるジョン・ギブソンが発表した教会のパイプオルガンで奏でられる滅茶苦茶ドローンな音世界。ボーナスト ラック3曲が収録され、Arthur Russellもチェロで参加されています。ジャケットドローイングは氏に手によるもの。

Wally Badarou


Echoes /Wally Badarou

オリジナル1984年作。
Level 42などで活躍するキーボディストのソロ。非常に躍動感がり緻密に繰り広げられるリズムボックスとシンセの絡み。自身のルーツであるレゲェやアフリカンマナーを充分に落とし込んだ彼独自の唯一無比の世界観に心酔。

Holger Czukay


MOVEIS / Holger Czukay

オリジナル1979年作。
Holger Czukayのソロ2作目。シュトックハウゼンの元で音楽を学んだ基礎を基に、ラジオからサンプリングやテープエディット等の手法を用いて作り上げた独自の音像。当時としては非常に先進的な作品だった。「Persian Love(ペルシアン・ラヴ)」は当時、日本のテレビCMでも使われていました。


David Bowie


Let's Dance /David Bowie

オリジナル1983年作。
ナイル・ロジャースPro。ベルリン三部作後、健康的にボウイが作ったフィジカルにならざるを得なかったアルバムであり、ソングライティング能力の陰りを露呈してしまったボウイキャリアでも良い意味でも悪い意味でも非常に象徴的なアルバムであり、キャリア最大のメガヒットとなった。
因みに、このアルバム発表後シリアス・ムーンライト と題されツーアを行った。そのライブの模様を映像作品として発表している。'80年代頭の時代感やファッションの参考にはお勧め。勿論Bowieの円熟されたステージも楽しめる。

Bryan Ferry


Boys and Girls /Bryan Ferry

オリジナル1985年作品。
元ブライアン・フェリーのソロアルバム。デヴィッド・サンボーン、マーク・ノップラー、ナイル・ロジャース
の布陣で、当時としては最高のAORアルバムに仕上がっている。基本的にはロキシーでの「アヴァロン」の路線踏襲だと思われるが、フェリーの伊達男の貫禄が増した分、余裕の洗練された気品を備えた作品となっている。

The Lilac Time


And Love for All /The Lilac Time

オリジナル1990年作。
アンディー・パートリッジ+ジョン・レッキーPro。英国田園風景がやけにはっきりと見えて
きそうなキンクス直径の楽曲の数々はとてもノスタルジックであり、「さぁ、お茶でも一緒に」とつい口ずさみたくなること必須である。バンド名からも伺える通り、夕没の時は永遠に色褪せることはない。

RIDE


Nowhere /Ride

オリジナル1990年作。
The Smithsライクな花を小道具に使う(ライブアティチュード+ジャケットデザイン+詩の世界観)×MY BLOODY VALENTINEライクな騒音ギター×朴訥なルックス。どれもオリジナリティ的にはイマイチなテイストなのだが、楽曲の良さはそれを補うに十分に魅力を放っている。疾走するファズギターとロマンチックで情感あふれるメロディ。永遠に続く白昼夢。

The Smiths


Strangeways, Here We Come / The Smiths
オリジナル1987年作。
1982年からイギリスで創立されたスミスダムの最後の落し前であり、モリッシー&マー運命共同体の破綻美。1曲目から、マーのアイコンであるジャカジャカギターは鳴らないし&キーボードが先導するし、サックスは炸裂し、モリッシーのボーカルの力量もやけに増している。しかし、破綻した人間関係の前で紡ぎだされる音の数々は、ただただノンフィジカルでどこか物悲しげで少し投げやり。解散が決定した後に発表されたラストアルバム(辞世の句)。黙祷。

坂本龍一

B-2 UNIT /坂本龍一

1980年作。
ダブ、コラージュ、ノイズなどが緻密な計算の上、縦横無尽に紡ぎ合わせておりなすインナートリップミュージック。覚醒。ジャケットデザインはロシア構成主義の画家エル・リシツキー の本『From Two Quadrants 』からの引用。元祖ジャパニーズエクスペリエンタル大名盤。

Moebius-Plank-Neumeier

ZERO SET / Moebius-Plank-Neumeier

1983年作。
ノイマイヤーの生ビート+コニー(テクノ+エスニック)。なんにしてもジャケットのこの世界感が 全て表現されている。コニー・プランクの関わったもので最高最良の出来だと思う。インナーゾーン・トリップ。1994年DJカルチャーのパワーによってイ ギリスのNMEのテクノチャートにランクインなったな。元祖ジャーマンエクスペリエンタル大名盤。





ゆらゆら帝国


空洞です / ゆらゆら帝国

オリジナル2007年作。
ソニー移籍後2作目。ゆらゆら帝国史上最高傑作。今作からサックスを導入し、前々作「めまい」をより深化させた作品となってい る。1曲目の「おはようまだやろう」は、出だしから思わずレッチリの「Scar Tissue」か!は、やけに腑抜けたプラスチックソウルだし、「やさしい動物」が初期の「壁のない部屋」に似ていてインディの頃に戻ったかと?、歌詞は 相当悲惨なのに曲調はやけにハッピーな「まだ生きている」(個人的にはA.Dorauの詩の世界観に似ているなと思ったり)があったり、尺八フィードバック?+ポエトリー リーディング「学校へ行ってきます」や「ひとりぼっちの人工衛星」は歌詞が本当に感動的だったり(彼らはアルバムの最後のほうに、こういう曲を持ってきま すね)、ラストはボンゴとサックスが最高に気分な「空洞です」はElectric Warrior+Young Americansへのオマージュかな?と思わせられたり。どれも粒ぞろいな曲が満載。本当に素晴らしいバンドに成長したな。個人的には2007年度ジャ パニーズロックのベスト。